てん菜糖のその後の状況について

10/31に掲載いたしました、てん菜糖変更のその後についてお知らせいたします。

早々にメーカーさんからご連絡をいただき、てん菜糖の現在の生産と流通の状況について教えていただきました。商品は休止でも廃盤でもなく、11月に入ってから徐々に流通も元のように戻っていく見通しとのことでした。

近隣の店舗ではまだ置いてありませんが、ネットなど探して少し入手することができました。
今月のユニモール、おおがきクリエーターズ、東別院までは購入できたてん菜糖を使って製造いたします。
その間に流通も回復してくると思いますので、いま手元にあるてん菜糖を使い切る前に今までのように購入できるよう願っています。

購入できそうにない場合は、代替のてん菜糖を使いますので、その際はまたお知らせいたします。

ご理解を賜りますと幸いです。

今回、このお仕事をしてから初めてこのような体験をしたことで、前回も書きましたが、「物が当たり前に買える」ことは決して当たり前ではないことを改めて感じました。てん菜糖は農産物ですので、収穫が天候などに左右されることもあって当たり前なのですが、あまりになんでも普通に買える社会に暮らしていると、そのような基本的なこともつい忘れてしまいます。

もちろん、お菓子を作る上でお砂糖の役割は大きく、味が変わらないために購入に力を尽くすことは製造者として当たり前であるとも思います。そして同時に、あらゆる材料は「在って当たり前」ではないことを考えた時に、いかに柔軟に、また工夫を凝らして製造していくかということもとても重要であるように思いました。
特に、東日本大震災やコロナを通して社会の在り方が大きく変容し、自分たちの生活や生き方も様々な角度から見直していくような時代にあると私は思っており、自分の仕事や生活を守りながらも、限られた資源をいかに分け合いながらお互いに豊かに暮らして行くかの視点も欠かせないと感じます。

もし例えば小麦粉が入手できなくなってスコーンが作れなくなったら、私はおにぎり屋さんかお惣菜屋さんになろうと思っています。
私がお仕事を通して表現していきたいことや生きていく上で大事に思っていることを、商品の形が変わってもお客様に伝え続けていける人でありたいと思います。何もかもが在ることが当たり前ではない中で、でも自分の芯になるものは絶対に無くならないので、それを忘れずに形にし続け、そしてお客様に心地よく温かくそれが伝わっていくような人間であることと、そのような仕事内容をずっと継続して行きたいと思います。